脳腫瘍(髄膜腫)におけるガドビスト造影MRIの有用性

東京逓信病院 放射線科 
土屋 一洋 先生

ご紹介する症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
効能・効果、用法・用量、警告、禁忌、原則禁忌を含む使用上の注意につきましては、
添付文書  をご参照ください。

はじめに

髄膜腫は,原発性脳腫瘍の約20%を占め,最も発生頻度の高い脳腫瘍である.40~70歳に好発し,中年女性に多い.腫瘍はくも膜の表層細胞である髄膜皮細胞から発生し,大多数は硬膜に付着しており,円蓋部(25%),傍矢状部(15%),大脳鎌(15%),蝶形骨縁(10%),小脳テント(10%)などにみられる.髄膜腫の画像所見の特徴は,MRI画像における均一な信号(T1強調画像:灰白質と等~低信号,T2強調画像:等~軽度高信号)や,造影後の強い増強効果,腫瘍付着部近傍の硬膜の肥厚および増強効果(dural tail sign)であり,多くの症例は容易に診断が可能である.

ガドビストを用いたMRI検査の方法

手順と撮像 Sequence Parameter

手順と撮像 Sequence Parameter

手順と撮像 Sequence Parameter

手順と撮像 Sequence Parameter

使用装置と造影剤の投与方法

使用装置と造影剤の投与方法

症例

症例背景とMRI検査の目的

60歳代.男性.頭痛と左手足のしびれを主訴に来院.頭部単純CTにより右中頭蓋窩前部に腫瘤性病変を指摘され,精査のため造影を含めたMRIが施行された.

  • 図1. T2強調画像
  • 図2. T1強調画像

図3. MRDSA画像

  • 図4. 灌流画像(CBV map)
  • 図5. 灌流画像(CBF map)
  • 図6. 造影T1強調画像

本症例におけるガドビスト造影MRIの有用性

脳腫瘍の鑑別や予後判定では,血行動態を半定量的に評価する灌流画像の有用性が確立しており,特にCBVが指標として鋭敏である.一方,MRDSAは血行動態を視覚的に評価するもので,X線DSAの知識を応用することができる.
筆者は以前から,脳腫瘍の造影MRIでガドリニウム(Gd)造影剤注入時に半量ずつ用いてMRDSAと灌流画像の連続撮像をおこなってきたが,一部のGd造影剤で可能な倍量投与を応用するなど,多めの投与量となる傾向があった.ガドビスト造影MRIでは,造影剤の投与総量を体重あたりの標準投与量とし,半量ずつ分割して投与することで,これら2種類の撮像が問題なく連続施行可能である.

使用上の注意

1.
慎重投与
(4)既往歴を含めて,痙攣,てんかん及びその素質のある患者[痙攣があらわれることがある.]