フェムビューを用いた超音波子宮卵管造影2

早川クリニック
早川 潤 先生

フェムビューを用いた超音波子宮卵管造影は、放射線室のないオフィスクリニックでも容易に実施可能で、また特別な造影剤を使用せず被曝もなく被検者の身体的負担も小さいことから、当クリニックでは不妊症患者や挙児希望のある方、或いは卵管閉塞が疑われる症例のブライダルチェックなどでの妊孕性の評価において、同検査による卵管通過性評価を行っている。

使用目的、効能又は効果、操作方法又は使用方法等、警告、禁忌、禁止を含む使用上の注意等製品に関する情報は、製品添付文書および取扱説明書をご参照ください。
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症例1

患者背景

29歳 女性

症例1

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症例2

患者背景

34歳 女性

症例2

症例3

患者背景

子宮卵管通過性評価 37歳 女性

症例3

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フェムビューを用いた超音波子宮卵管造影のポイント

検査・操作手順について

当クリニックでは、以下の点に留意してフェムビューを用いた超音波造影検査を実施している。

検査前処置

  • 検査中の被検者リスクを低減させるために、被検者に対しては事前に検査について十分な説明を行い、起こり得る副反応などについても正しく理解してもらえるよう努める。
  • 疼痛予防および腸蠕動抑制のため、検査30分前にNSAIDとブスコパンを投与し、また検査施行直前に排尿してもらい膀胱を空虚にすることで、経腟超音波での画像描出を向上させる。

検査の準備

  • 造影用バルーンカテーテルの留置前に、固定用バルーンが正常に膨らむことを確認し、また過度のエアーの混入を防ぐために本管に生理食塩水を充満させる。
  • 造影源になる生理食塩水の温度調整(体温レベル)を行い、刺激による被検者負担を軽減する。

検査の実施

  • 検査施行者が超音波プローブの操作および診断に専念できるように、検査中のフェムビューの注入操作は他の医療スタッフ(看護師)に任せている。
  • 検査中に卵管の攣縮が起きないよう、できるだけ緩徐な注入を心がけている。
  • 検査途中で注入する造影源が不足した場合には、一旦フェムビューをカテーテルから取り外し、生理食塩水を再充填した後、造影源を追加注入している。

検査後処置

  • ときに迷走神経反射にて気分不良や失神を起こすことがあるため、検査後数分はベット上安静にて被検者の様子を観察する。

超音波機器の設定

卵管通過性の診断能を向上させるため、以下の設定にて撮像を行っている。

  • 一般的なB モード画像は組織を描出するのに対して、フェムビューを用いた卵管造影では造影源(気泡)を描出する必要があるため、高調波( ハーモニック信号) 成分の映像化を行うハーモニックイメージングモードを利用して撮像し、組織からの信号よりも気泡からの信号が強い画像を得る。
  • コントラストをやや高めに設定し、超音波出力をやや弱くすることによって、組織信号を弱め、造影源描出を強調する。
  • 組織描出向上のため、ゲインや周波数を検査中も繰り返し調節する。
  • ディスプレイの表示をブルーやオレンジなどのカラー色に変更することで、造影源の気泡(白色)が強調されて判別し易くなる。

読影・診断におけるポイント

  • 卵管は屈曲蛇行していることから卵管全体を一断面で描出することは困難なことが多いため、卵巣像を目標として周辺を横断走査する。
  • 卵管の描出が困難な場合でも、卵巣周囲からの造影源である気泡の放出が確認できれば、卵管通過性ありとして診断している。
  • 1回の造影源注入では卵管の通過性が確認できなかったにも関わらず、造影源注入に大きな抵抗がなく、子宮口からの造影源の漏出や被検者に疼痛が認められない場合には、再度造影源の注入を試み、卵管通過性、ダグラス窩の貯留を確認した後に最終診断を行っている。
  • 動画を録画保存しておき、診断結果に疑問が残る場合には、再度、動画を見直して確認している。また、被検者への結果説明の際にも動画を利用している。

禁忌・禁止

  1. 次の女性には使用しないこと:妊婦等、子宮卵管撮影が禁忌の女性。
  2. 再使用及び再滅菌しないこと:本品は1 回(1 症例)の使用に限る。